2016年1月22日金曜日

偽物が行く

早い時間に飲みに行った、今夜はひとりではなくメシ仲間の友人と一緒だ、この人もゲイだが今夜の店はそういった店ではなくどこにでもある居酒屋、ただ、場所はゲイの飲み屋さんが集まる地域の中にある。

連れ立って歩いていると一目で仲間だと分かる人が向かい側から歩いて来た、どこがどうあれば仲間だと分かるのだと訊かれてもうまくは説明できないがピンと来るものはあるのだ、それは一緒に歩いていた友人も同じだ。

距離が縮まったところで某飲み屋のマスターさんだとわかった、お互い顔は知っているが親しくないのでそのまますれ違った、再び距離が開いたところで友人が「あれは○○のマスターさん?」と訊いた、そう、マスターさんだ。

「うわぁ」と顔をしかめる友人、以前友人が飲みに行った時、カウンターの端に居た1人の客に言いたい放題で虐めていた現場に居合わせたらしい、見ていて辛くなるほどだったという、言われていた客が帰るまでずっとネチネチとしつこく、見た目の男らしさとは裏腹なことに嫌気が差し、それ以来その店には行ってないという。

ちなみに執拗に客を攻撃した理由は「なんだか気に食わない」というものだったらしい。

私も1度だけ飲みに行った時、酔ってフラフラになった客がトイレに行った隙に、その人がカウンターに置いたままにした携帯を別の客と開いて中を見ながらクスクスと笑っているのを見たことがある。

他人の携帯を手にしたが、まさか覗き見ることなどしないだろうと思ったが、そのまさかを目の前でやってしまったので「何をしているのだ?」と言ったのだった、覗き魔らはこちらをチラッと見て携帯を閉じカウンターに戻したが、トイレから戻って来た酔っぱらいはそんなことなど知らぬままだった。

陰湿なマネをする輩だ、私もその店はそれきりだ。

見た目の男らしい風貌は人気だが、私は中身が全く好きではない、裏表の激しい人だと思っている、なのでどれだけ見てくれを良くしたところでハリボテの偽物なのだ。

私と友人が目指す居酒屋の看板が見えてきたあたりで友人が「あいつは内面が女々しい」と先ほどのマスターのことを言った、いや、それは違う、「女々しい」という言葉を充てがうと女性に失礼だ、女性にだってスッキリとサバサバしたした人はいくらでもいる。

なので「偽物」で充分なのだ、男女の区別とは関係なく、見た目で飾って男気があるかのように装った単なる男風な偽物なのだ。