2016年10月6日木曜日

鯉のパクパク

天気が良かったので仕事帰りに少し遠回りをした、ここのところ雨続きであまり歩かなかったので歩数稼ぎである、コースは明治通り沿いに西大橋を渡り、中洲からひとつ昭和通り側へ寄って博多川を渡って博多リバレインから綱場町を通って帰るというコース。

その博多リバレイン横の博多川には水辺まで降りてくつろぐスペースが整備されている、通りかかった時にはスーツ姿の決して若くない数人が川面を覗いていた。

何をしているのだろう? 近くで確認すると川面で口をパクパクさせている大きな鯉が自分たちのほうへ寄ってきていたのだ、そう、隣の那珂川には鯉も雷魚もいる(2016年3月22日のブログ)、博多川はその地点から上流のキャナルシティ博多付近で那珂川と分かれ、下流の須崎公園のあたりで再び合流するので必然的にこちらにも鯉や雷魚はいるだろう。

今日の鯉はとにかく大きな個体でぼんやりというか、ゆったりというか、人など怖がりもせずに岸の近くで丸い口をパクパクさせていた、錦鯉ではない、黒っぽいグレーの鯉だ。

スーツの一番右の人が「指を入れてみようか」とふざけて言う、だが怖そうだし第一伸ばした腕が全然届かない。

もし本当に指を入れてみたらどうなるだろう? 私はずっと昔に歯磨きペーストのCMで鯉が10円玉を咥えてモグモグした後に吐き出したそれがグニャリと曲がっているのを見て驚いたことがある、鯉の口の先端に歯など見えぬが、喉の奥にかなりの圧力で餌を潰す仕組みがあるのをその時に知った。

丈夫で何でも食ってしまう鯉を使って田んぼのジャンボタニシを駆除するという試みもある、丸ごとパクリと食べてしまうらしい、当然のことながら硬い殻を喉の奥で噛み砕くはずである。

丸い口にピラニアのようにギザギザの歯でも見えているのならば誰も指など入れてみようとは思わないだろう、ザックリと噛まれて血だらけになるのは目に見えている、だが、鯉の口は丸い穴にしか見えない、表情もなんとなく間抜けな感じでおっとりしている、つい油断してしまいそうになるが昔のCMを思い出すと私にはとても試す勇気はない。

CMで見た10円玉のように凄い力で圧力を掛けられたら人の指など簡単に潰れてしまうだろう。

誰かやってみたことがあるという人はいるのだろうか、まあ、口の浅い部分までなら問題ないのだろうけれど。

鯉など珍しくもないだろうに、1人はガムを噛みながらだろうか、口をモグモグさせながら、そのまま皆でジッと鯉を見ていた。

あの川にはとても大きな鯉がいる、大雨の濁流に流されることもなく、堂々としていて、まるで主のような鯉がいる。