2017年3月11日土曜日

おにぎりの不思議

甥っ子には付き合っている1歳年上の女性がいる、同じ職場の人らしい、いつだったか甥っ子の部屋に行った時に急に食器の数が増えていたのでたぶんその頃から仲が深まったのだと私は思っている。

その彼女が年度末のこの時期に仕事でミスをし叱られて落ち込んでしまい、ロクにメシを食わないので少量でも栄養のあるものはなんだろうと電話で訊かれた、黒砂糖の塊でも齧らせろと言うとできるだけまともな食事っぽいものがいいと言う、腹が減れば勝手に何か食うから放っておけと言えば丸一日食べてないから心配だとなおも言う。

ああ、面倒臭い。

ならば味噌汁とおにぎりを出せというとその通りに作ったらしく、ちゃんと食べてくれたと報告があった。

茶碗に盛ったメシを食いたくない時でも、不思議とおにぎりにするとすんなり食えたりする経験があるという人はそこそこいるような気がする、私もそうだ、仕事が忙しすぎて疲れて食欲がない時でもおにぎりなら不思議と食えた、おにぎりではなく弁当を買ったとしても食ったかどうかはわからない、そもそも弁当なら買う気も起きず、ただ早く帰って寝ようとするだけだったかもしれない。

茶碗に盛ろうがにぎろうが、どちらも同じメシなのに食欲に差が出るのは不思議である。

おにぎりにする手間がかかっているので美味しそうに思えるのか、海苔を巻いているせいか、いや、海苔で巻かずとも美味しそうではある、これは中の具が何なのかは関係ない。

ちなみに、私が好きな具といえば梅干しか昆布である。

甥っ子の作ったおにぎりを食った彼女は「明日はあたしがオムライス作ってあげるね」と言ってくれたという、そう、甥っ子はオムライスが好きなのだ、彼女の作るオムライスは上にケチャップでハートマークがあると言う。

ああ、気持ち悪い。

まあ、なんでもいいから、ちゃんとメシ食って働いて稼いで仲良くやってればそれでいい。