2017年11月21日火曜日

熊が可愛いのは見た目だけ


可愛い熊の動画があるとYoutubeへのリンク付きで遠くの友人からメールが届いた、見てみると川を泳いでいた熊が速い流れに飲まれて流されてしまうという動画だった、撮影者の笑い声も入っている。

ぜーんぜん可愛くなんかないぞ! 私にとっては熊とは恐ろしい生き物なのだ。

もっさりとした丸い体つきにぼーっとした表情というのは可愛い印象を与えるにはもってこいだ、人間もそうである、太った丸顔でタレ目なら優しそうだと感じてしまう人がいる、そういった意味で見た目が人に与える印象の影響は大きい。

私もずっと昔はそんな熊を「熊さん」だと捉えていた、丸くて可愛い森の熊さんというわけだ。

それが大きく変化したのは阿蘇カドリー・ドミニオンでの熊見学で、まだ阿蘇熊牧場などと呼ばれていた頃に立ち寄ったのだが、ガラス越しに見学できるエリアで観察している最中に、なんと、上から羽を毟っただけの鶏がエサとして投入されたのだ、そんな丸裸の鶏はガラスを隔てた私の目前に落ちてきた。

すると熊たちが物凄い声をあげて争いながらその鶏を奪い合うではないか、あの時のスピードと力尽くな姿は本当に恐ろしかった、あんな寸詰まりな体で動きの機敏なこと、間近でみると小型の熊でさえ大きいこと、こんなものに野山で遭遇し襲われでもしたらそりゃ命だって失うだろうとつくづく思ったものである。

今日のメールで教えてもらった動画は撮影者の笑い声も入っていて緊迫感はないけれど、それでもそこにいるのが私だったら熊が川岸から這い上がってくる可能性を考えて一目散に逃げていただろう。

私のネットの知り合いの中には北海道に住んでいる人がいて釣りをしにあちこち出掛けているのを知っている、どこどこで釣りをした、あるいは釣りに行くという話になると決まって熊に気をつけてとメッセージを送ってしまう。

まあ、現地に住んでいる人からすれば熊の性質をよく知っているだろうから全く縁のない福岡市民がハラハラすることもないのだろうけれど。

走るのが速く、木登りは器用だし、泳ぎだって得意だ、そして肉食である。

自然の仕組みの中に生きる多くの動物の中のひとつなれど遭遇したくはない、私は熊が恐ろしいのだ。